屋外環境で使用可能な小型カメラを用いた頭部方向推定


自然体験学習を始めとする屋外教育では,体験プログラムを通して学習者の心情がどのように変化したか評価することはプログラムの改善や指導者育成において重要である.我々は体験学習中の学習者の頭部方向を時系列的に計測することで,時間ごとの集中度を測定でき,その度合によって心情変化の大小を評価することができると考えている.本研究の目的は,屋外環境で使用可能かつ体験学習の妨げにならない頭部方向検出手法を開発することである.

本手法では,学習者の頭部に小型カメラを装着し,講義中の一人称視点画像を撮影する.またそれとは別に,人物が映っていない背景画像も撮影する.図1に学習者用および背景画像用の撮影器具を,図2に学習者用カメラが撮影した画像および同じ場所で撮影した背景画像をそれぞれ示す.これらの画像をもとに三次元再構成を行うことで,学習者用カメラの時系列的な位置姿勢を検出する.図3に三次元再構成によって得られたカメラ位置姿勢と点群を示す.図4に検出結果を示す.

図1. 左:学習者用撮影器具.右: 背景用撮影器具.
図2. 左: 学習者用カメラが撮影した画像.右: 左の画像と同じ場所の背景画像.
図3. 三次元再構成を行った結果.四角推はカメラ位置姿勢を表す.
図4. 検出結果.図3の三次元再構成結果から,学習者用カメラの位置姿勢のみをグラフ化した.